軽トラック、中古車でオートマチックはどれほどのものか?

軽トラックは中古車市場の流通量も多いことから、購入するときにはとりあえず中古車から探す方も多いと思います。ただ、軽トラックというと、やはりマニュアルでないと売ってないのでは? と思われる方もいるかもしれません。

今は、中古車市場でもオートマチックの軽トラックは結構ありますよ。

軽トラックのオートマ車は4WDでなければ、選択肢がぐっと増える

中古車検索のカーセンサーで、軽トラックを検索してみました。



条件は全国で、車種は次の7種類です。値段の下限・上限は設定していません

  • スズキ キャリイ
  • 日産 NT100 クリッパー
  • マツダ スクラムトラック
  • 三菱 ミニキャブトラック
  • ダイハツ ハイゼットトラック
  • スバル サンバートラック
  • ホンダ アクティトラック

まず、トランスミッションをオートマチック、マニュアルの両方にして検索してみました。
すると、全国で7,338台見つかりました。

次に、これをオートマチックに絞ってみると、台数は1,792まで減りました。

さらに、駆動方式を4WD(四輪駆動)にすると、候補は728台にまで減ってしまいました。
念のため、駆動方式を2WD(二輪駆動)にした場合は候補は1,064台になります。合計すれば1,792台ですね。

ついでに、マニュアルの2WD、4WDも調べてみましたが……意外と、マニュアルの4WDが多いんですね。

全体をまとめたのが次の円グラフになります。

圧倒的にマニュアル車が多い結果になりましたが、オートマチック車でもそれなりにありそうです。

なお、これは2018年6月にカーセンサーのサイトで検索した結果ですので、具体的な数値は日によって変化があり、またカーセンサーに登録されていない販売店の数字は反映されません。念のため。

オートマチック車のメリット・デメリット

軽トラックの中古車でオートマチック車を探すという場合、基本的には「それしか選べないから」という理由だと思うのですが、改めてオートマチック車のメリット、デメリットをまとめようと思います。

オートマチック車のメリット

なんと言っても、オートマチック車のメリットは「オートマ限定免許でも乗れる」ということでしょう。最近の教習所、自動車学校ではオートマ限定の教習生の方が多いといいます。

多くのホームセンターでは60分あるいは90分の「無料貸し出し」軽トラックを用意しています。また、一部の不動産業者では顧客サービスとして「引っ越し用軽トラック」を用意していることがあります。

いずれも、貸し出し用として用意されているのはオートマチック車です。お客さんがマニュアル免許を持っているとは限りませんからね。

また、マニュアル車に比べて操作が簡単とか、渋滞の時に楽、というのはよく言われていることですね。

オートマチック車のデメリット

軽自動車に限らず、トラックではオートマチック車は少ないです。以前は、オートマチック車はトラックには向かないと言われていました。

トルクコンバータが「滑る」

一番の理由は、停車時から走り出す際に、いわゆる「滑る」現象が起きるからだといわれていました。

多くのオートマチック車には、変速機の中に「トルクコンバータ」という装置が入っています。これは原理としてはふたつのプロペラが向かい合わせになっている物でして、片方のプロペラがエンジンにつながっており、もう片方のプロペラがタイヤにつながっています。

エンジンにつながっているプロペラが回転すると、それに合わせてタイヤにつながるプロペラが回転するという原理で、動力を伝えているのです。

自動車は走り出すときに一番力を使います。マニュアル車の場合、ギアを低くしてエンジンの回転数を上げながらクラッチをつないでいきます。オートマチック車の場合も同様なのですが、とまっている状態から急激にエンジンの回転数を上げて行くと、このトルクコンバータがうまく動力を伝えられない現象があります。結果として上手く走り出せなくなるのですが、この現象を「滑る」と言っていました。

ただ、最近のオートマチック車は、「ロックアップ機構」という装置を使うことで「滑る」現象に対策をしています。

値段が高い

これは軽トラック各社のラインナップを確認すればわかりますが、オートマチック車はマニュアル車に比べて10万円程度高くなっています。機構が複雑になることと、現状需要が少なく、その分割高になっている面もあると思います。

ただ、最近の乗用車の場合、マニュアル車の方が高額になっている場合もありますので、いずれは軽トラックでも逆転現象が起きるのかもしれません。

操作ミスで事故

最近、特に高齢者による交通事故が増えています。ニュースでよく見るのが、アクセルとブレーキの踏み間違いです。マニュアル車の場合、急アクセル、急ブレーキでエンストする事が多いので、結果として、こういう踏み間違いによる事故は少ないと言われていますね。

メリット・デメリットを理解しつつ、上手に中古車を選ぼう

軽トラックのオートマチック車で、中古車を探す場合について、流通量やメリット・デメリットについてまとめました。

最後に、軽トラックのオートマチック車を選ぶ際、ひとつアドバイスをするとしたら、「新し目の車種を選べ」と言いたいと思います。先ほど書いたように、荷物をたくさん積む可能性がある軽トラックでオートマチック車の場合、走り出しで「滑る」可能性があります。

特に、古い型のものですと「ロックアップ機構」が無かったりするものもありますから、よく注意すべきです。現行モデル、あるいは一代前のモデルでしたら問題ないでしょう。